65.太刀釣鐘螺鈿蒔絵鞍
山内城跡のふもとにある円通寺は、山内城主三浦氏の菩提寺である。寺には、三浦家の遺物が寺宝として保存されているが、写真の鞍と鐙もその中のひとつである。大同年間の開創と伝えられる円通寺ははじめ天台宗であったが、松原補陀寺十世光室源瑞開山始祖に勧請して曹洞宗に改めた。天正年間のことと思われる。この寺には北海道松前に14の末寺がある。三世月巣泉が松前に渡り法幢寺・寿養寺を開いたことによるが、安東家の天正の内紛によって三浦氏が蝦夷地に走ったことが、その遠因となっている。この鞍は、金蒔絵で釣鐘に太刀の図柄が入っている。また、菅江真澄の遊覧記「ひなの遊び」には、写生図と円通寺を訪れたときの様子が記されている。
種別 | 有形文化財 |
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部門 | 工芸品 |
名称 | 太刀釣鐘螺鈿蒔絵鞍 |
所在地 | 富津内 |
指定年 | 昭和60年3月15日 |
サイズ | 高さ約30×幅約50cm |
所有者 管理責任者 |
円通寺 |