73.石造薬師如来坐像①
この薬師如来坐像は、馬場目の森山と呼ばれる薬師山頂の祠に、かつて祀られていたものである。薬師山は薬草採集の山で、古くから薬師信仰の霊場とされた。その山麓には中村の安養寺(廃寺)や、今も怯羅陀山信仰が伝えられる水沢の松樹院などがある。昔、山頂の祠がこわれた時に、この薬師仏は安養寺境内の薬師堂に移され、同寺が廃寺となった時に個人宅に移されたという。光背の中央辺りにある頭部は、螺髪がはっきりしていて童のような表情は親しみやすい感じである。両手でかかえたやや大きめの薬壺は、この仏像が薬師如来であることを示している。江戸時代から薬師山は女人禁制であったため、山頂に祀られていたときは男薬師と呼ばれていた。
種別 | 有形文化財 |
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部門 | 彫刻 |
名称 | 石造薬師如来坐像① |
所在地 | 馬場目 |
指定年 | 昭和61年3月13日 |
サイズ | 高さ20×幅12cm |
所有者 管理責任者 |
個人所有 |