74.石造薬師如来坐像②
この薬師如来坐像は、安養寺境内にいわゆる里宮である薬師堂が建てられ、そこに女薬師として祀られたものである。女薬師らしく石彫仏の像全体に胡粉状のものが厚く塗られ、彩色のあとが認められることから、全体的にはなやかな色彩の衣紋であったと思われる。頭部の螺髪の彫りは浅いが、その表情はやさしく、いかにも女性的ななごやかさが漂っている。前出の男薬師と一対にして見るといっそうおもむきがある。安養寺が廃寺となったとき、男女一対になって祀られていた二体の薬師仏は、個人宅に移され、その屋敷内のお堂に祀られるようになった。背面に安永2(1776)年4月3日の墨書の紀年銘がはっきり読みとれる。
種別 | 有形文化財 |
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部門 | 彫刻 |
名称 | 石造薬師如来坐像② |
所在地 | 馬場目 |
指定年 | 昭和61年3月13日 |
サイズ | 高さ23×幅13cm |
所有者 管理責任者 |
個人所有 |