86.五城目焼「帯文筋入甕」
台所などで日常用いられたものらしく、小ぶりな甕である。使いこまれた様子が、その肌全体のつやにあらわれている。開口部は大きく、口縁部は厚めで少々外に向いている。口縁の上部六ヵ所に無造作に点々とナマコ釉の部分がみられる。開口部立ち上がりから、自然に垂れた飴釉・黄土色の釉・濃い土色の肌の色合いが印象的である。螺旋状に細かに貼り付けた珍しい帯文と胴の最も膨らんだ辺りに太めの四本の筋が、胴部を引き締めている。安定感のある器形は、実際以上に甕を大きく見せる効果がある。この甕は、五城目焼の初期製品と思われるが、数が少ないため貴重である。
種別 | 有形文化財 |
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部門 | 工芸品 |
名称 | 五城目焼「帯文筋入甕」 |
所在地 | 上樋口 |
指定年 | 平成元年3月12日 |
サイズ | 口部径22.0×胴部径29.0×底部径17.2×高さ38.5cm |
所有者 管理責任者 |
五城目町 |