令和7年9月議会で町長が行政報告を行いました

  令和7年五城目町議会9月定例会町長行政報告

 令和7年第3回町議会定例会が、9月1日から開催されました。

 初日の9月1日には、荒川町長から行政報告がありました。  

 町長の行政報告を全文紹介します。 

9月議会定例会町長行政報告

本定例会は、令和7年度一般会計補正予算案をはじめ、21件の議案についてご審議をお願いする次第ですが、提出議案の説明に先立ち、本年6月以降に生じた主なる事項についてご報告します。

はじめに、令和6年度の財政状況について申し上げます。
 経常収支比率は、普通交付税の増額が大きく影響し、前年度から4.3ポイント減の90.1パーセントとなっています。実質公債費比率は、普通交付税の増額や令和5年度の大雨災害による水道事業会計への繰出金の影響が無くなったことなどから、前年度比0.6ポイント減の8.4パーセントとなっています。また、将来負担比率は、普通交付税の増額、臨時財政対策債など過年度分の起債の償還終了により地方債現在高が減少したことなどから、前年度比8.9ポイント減の48.2パーセントとなっています。いずれの指数も改善していますが、普通交付税、いわゆる依存財源による部分が大きいことから、今後も事業内容を精査し、効率的な財政運営に努めていきます。なお、財政調整基金の残高は、前年度決算剰余金の一部を積み立てるなどしたことで、前年度から1億6,435万8千円増の11億6,718万1千円となっています。

次に、総務課関係について申し上げます。
 役場業務のデジタル化の推進については、デジタル専門監3名の助言・指導を得ながら、3月に提言頂いた5つの取組方針を基に、試行を重ねているところです。進捗状況については目に見えない部分が多く、またその度合いもタスクごとに異なりますが、少しでも早く、住民がDX化による利便性や快適さを享受できるようにするため、スピード感を持って取り組むよう、あらためて総務課へ指示しています。

次に、まちづくり課関係について申し上げます。
 はじめに、五城目高校についてですが、現在、地元のお米や食材を使った昼食を提供する「五城目ランチプロジェクト」を進めています。9月中旬以降から月2、3回程度、生徒の皆さんに昼食を提供していく予定であり、今後は五城目高校と本プロジェクトに関する協定を締結するとともに、提供事業者との契約を進めていきます。また、町から五城目高校教育振興会への、特色ある学校づくりや教育環境整備への支援などを目的として交付している補助金は、8月27日に交付しています。
 次に、独立行政法人国際協力機構ジャイカとの連携に基づく海外協力隊派遣前研修の受け入れですが、これまで地域おこし協力隊インターンとして4名を受け入れ、今回は2名の実習生を受け入れました。実習生は朝市プラス出店や各公民館の訪問、地域イベントへの参加など、町民の皆さんと交流しながら活動し、8月27日で五城目町での実習を終了したところです。

次に、税務会計課関係について申し上げます。
 令和7年度の町税の賦課状況についてですが、7月31日現在の現年度の調定額は、一般税、国民健康保険税の総額で8億3,711万円となり、前年と比べ、4.1パーセント、3,310万円上回っています。町民税については、個人町民税は農業所得等の増加により、調定額が26.1パーセント増額しているとともに、法人町民税は法人税割分の増加により9.7パーセントの増額となっています。固定資産税については、土地価格の下落により、調定額は1.1パーセント減額しています。軽自動車税については、種別割が0.2パーセントの増額、環境性能割では47.0パーセントの減額となっています。また、国民健康保険税については、税率の引き下げや加入者の減少により、調定額は11.8パーセント減額しています。町税を取り巻く環境は厳しい状況ですが、引き続き、個々の事情をより深く考慮し、きめ細やかで、丁寧な納税相談を実施するとともに、町民の皆様のご理解とご協力を得て自主財源の確保に最善を尽くしていきます。

次に、令和6年度各会計の決算概要についてご報告します。
 各会計の決算については、7月8日から15日までの間、松橋嘉則 (よしのり) 、石井光雅 (みつまさ) 、両監査委員から慎重な審査を賜り、審査結果について意見書を付していただいています。
一般会計については、
歳入総額  80億5,772万5,146円
歳出総額  75億  268万5,630円
差 引 額     5億5,503万9,516円
翌年度へ繰り越すべき財源、2億3,619万2,848円を差し引き、実質収支額は、3億1,884万6,668円となります。このほか、4つの特別会計についても、実質収支額で黒字決算となっています。また、公営企業会計についてですが、水道事業会計では、給水人口の減少、経年劣化した設備の更新費用増加、浄水場の災害対策などにより、純損失の額は5,848万8,773円となりました。また、下水道事業会計では、純利益666万5,879円の黒字決算となっています。両事業ともに、引き続き適正な収入の確保と健全な財政運営に努めていきます。

次に、住民生活課関係について申し上げます。
 はじめに、8月の大雨についてですが、水不足となった7月から一転し、8月は前線や低気圧の影響を受け、県内は大気の状態が不安定となりました。本町では、8月8日に「土砂災害警戒情報」、15日に「記録的短時間大雨情報」、20日には再び「土砂災害警戒情報」が発表されるなど、集中的に強い雨が複数回にわたり観測されました。この雨により、8月8日、午前2時45分ごろ、内川川が氾濫したほか、15日には五城目地区で浸水被害が発生しております。被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。この大雨による被害についてご報告します。五城目地区で床下浸水3棟、非住家5棟の浸水被害が確認されています。内川・富津内地区では、農地の冠水が1崩落5件、表層敷(ひょうそうしき)砂利(じゃり)流出2件、法面 (のりめん) 崩落1件の道路被害、家ノ沢川 (いえのさわがわ) 護岸 (ごがん) 崩落1件が確認されています。今後、速やかに災害復旧にあたるとともに、関係機関と連携しながら、住民の生命、身体及び財産を守るため、引き続き地域防災力の向上や防災体制の整備に努めていきます。
 次に、激甚化・頻発化する自然災害に備え、国交付金を活用し、避難所の生活環境の整備を進めています。本事業は、災害発生時における避難所の「停電対策」「空調設備の整備」「トイレ環境の整備」に関する資機材整備を行うもので、購入した資機材は各避難所へ配置しています。今後、緊急時はもとより、平時でも住民参加型の訓練実施や各種イベント等で活用しながら、地域の防災意識の向上を図っていきます。
 次に、防災行政無線の聞き直しダイヤルについてですが、今年6月から利便性向上のため、町防災行政無線の聞き直しダイヤルについて、通話料無料のフリーアクセスを導入しています。県内の固定電話、携帯電話などから利用できますので、広く住民の皆様からご利用いただけるよう周知していきます。
 次に、戸籍の振り仮名についてですが、5月26日、改正戸籍法が施行され、戸籍に氏名の振り仮名が記載されることになりました。町では、戸籍に記載する予定の氏名の振り仮名が記載されたハガキを、7月末に発送しています。ハガキに記載された振り仮名に誤りがない場合は、手続きは不要ですが、誤りがある場合は、令和8年5月25日までに手続きが必要となります。手続きは、マイナポータルまたは住民生活課窓口での手続きとなり、スムーズに手続きができるようサポートしていきます。

次に、消防関係について申し上げます。
 はじめに、消防訓練大会についてですが、6月29日、千代田区の丸の内・麹町・神田各消防団と千代田区防災担当職員の皆様をお迎えして行った町消防訓練大会で、第10・11分団が昨年に引き続き優勝しました。また、同分団は7月27日に当町で開催された秋田県消防協会 男鹿潟上南秋支部 消防操法大会に出場し、準優勝しています。健闘された第10・11分団の皆様と関係各位に、深く敬意を表します。
 次に、救急活動についてですが、国は昨年度から、救急患者情報の入手方法として、マイナ保険証を活用した「マイナ救急」と呼ばれる取り組みを進めています。今年度は、全国すべての救急隊でマイナ救急の実証事業を行うこととしており、当町の救急隊も10月1日からの運用開始を予定しています。マイナ救急は、救急患者の負担軽減と適切な病院選定などに効果が期待できる取り組みであり、救急現場での運用について、ご理解とご協力をお願いします。

次に、健康福祉課関係について申し上げます。
 はじめに、子育て世帯応援給付金事業についてですが、地方創生交付金を活用し、18歳までの子育て世帯の物価高騰に対する負担軽減を目的として子ども一人当たり2万円を給付する本事業については、子ども609人、354世帯に対し1,218万円を給付しています。
 次に、物価高騰対策に伴う補助についてですが、米価(べいか)等の高騰に伴い食材料費の負担が増加している介護保険施設等に対し、安定的な介護サービスの提供を維持するための緊急的な支援として、食材料費の一部を補助するための予算を本定例会に提案しています。

次に、農林振興課関係について申し上げます。
 はじめに、キイチゴについてですが、五城目産キイチゴを原材料として、昨年度から三菱食品と商品開発を進めていた「かむかむ ラズベリーソーダ味」が、8月4日から全国発売されています。販売に先立ち、みんなの学校での五城目小学校児童を対象とした講演や、きゃどこまつりでの商品ブース設置などでPRを実施しました。また、8月8日には秋田県知事への表敬訪問を行い、知事に生のキイチゴ果実と商品の試食をしていただきました。
 次に、大川地区の水門についてですが、町では、馬場目川水系土地改良区と協議を重ね、7月に水門の管理協定を締結しています。実操作については、土地改良区と関係町内会及び関係消防団の間で覚書を交わしており、大雨における対応を明確化しています。今後、秋田県には速やかに水門の改修を実施していただくよう、継続して要望していきます。
 次に、熊の出没等についてですが、今年の熊の出没・目撃情報は、7月31日現在、22件で、捕獲数は10頭となっています。出没箇所は広範囲にわたっており、民家への接近などが見受けられているため、地元猟友会などの協力を得ながら警戒にあたっているところです。

次に、商工振興課関係について申し上げます。
 はじめに、観光振興事業についてですが、8月2日に開催された「きゃどっこまつり」は、猛暑の中、多くの人が来場し、ステージイベントやさかなつかみどりの体験コーナーなど、子どもから大人まで楽しめる多彩な催しに終日にぎわいました。企画運営に携わった実行委員会の皆様をはじめ、関係者の皆様に、心より感謝を申し上げます。
 次に、商工振興事業についてですが、全町民を対象に一人あたり1万円の商品券を支給した「オール五城目生活応援商品券事業」については、6月末日に登録店における換金手続きが完了し、換金率は98.87パーセントで、物価高騰の影響を受ける町民の消費生活や町内経済の下支えを図ることができたものと存じます。
 次に、第26回全国朝市サミットについてですが、五城目朝市530周年記念事業も含め、現在、朝市振興委員会の皆様より開催内容等についてご検討いただきながら準備を進めているところです。主な内容としては、11月1日にグリーンロイヤル丸富を会場として、全国朝市サミット協議会の定期総会と基調講演、交流会を実施するほか、翌日には朝市通りで、きのこまつりと全国朝市特産市を開催する予定であることを伺っています。

次に、建設課関係について申し上げます。
 はじめに、都市計画関係についてですが、7月30日の第2回街路樹管理計画策定委員会で、委員の皆様に現場を視察していただき、素案に対する様々なご意見をいただいています。今後は11月を目途に3回目の委員会を開催し、計画の取りまとめを行っていきます。
 次に、水道関係についてですが、7月中の少雨の影響で、馬場目川の水位が下がり、通常の取水が困難となったことから、戸村堰より分水していただき、五城目浄水場では通常運転が可能となっていました。戸村土地改良区におかれましては、農業用水も不足している中、町民の生活のため分水していただいたことに、心より感謝申し上げます。
 次に、下水道関係についてですが、内水浸水対策として設計業務を進めていた、都市下水路樋門(ひもん)2箇所に設置するフラップゲートについて、現在秋田県に申請している河川占用の許可が下りた後、工事発注の手続きを進める予定であり、年度内の完成を目指していきます。併せて、森山兎品沢からの雨水流量を解析し、市街地への雨水流入を防ぐ対策を検討していきます。また、現在県で進めている国道285号七倉地区冠水対策事業の実施に伴い、町では国道からの排水経路の改良を実施することにより、県と協調し、浸水対策を実施するための調査検討を進めていきます。
 次に、上下水道料金の改定についてですが、8月25日の議会議員全員協議会で議員の皆様にご説明したとおり、上水道が五城目地区では61パーセント、下水道が20パーセントの改定率となる料金改定案を、今後9月19日より町内各地区で開催する住民説明会において、皆様からご理解いただけるよう、丁寧な説明に努めていきます。

次に、学校教育課関係について申し上げます。
 はじめに、中学校総合体育大会の結果についてですが、7月6日から15日まで開催された県中学校総合体育大会で、柔道では男子団体が3位入賞、女子団体が準優勝し、個人階級別では男女各1名が優勝、男子1名が3位入賞、女子1名が2位入賞しました。陸上競技では男子1名が3位入賞、水泳では男子2名が4位入賞、バドミントンでは1名の五一中生が加入する能代市のクラブチームが女子団体で準優勝し、東北大会に出場しています。さらに、柔道の個人階級別で優勝した男女各1名が全国大会に出場しています。
 次に、小学6年生と中学3年生を対象に、4月に実施された全国学力・学習状況調査の結果についてですが、五城目小学校では、国語、算数、理科の正答率が全国平均と県平均を上回り、五城目第一中学校では、国語の正答率が全国平均を上回り、数学の正答率が全国平均と県平均を上回っていたとの報告を受けています。今後も引き続き、確かな学力の定着に向けて、ICTの活用など児童生徒一人一人に応じた指導に努めていきます。
 次に、教育留学についてですが、7月1日から今年度の受け入れを開始し、7月に1名、8月に1名を受け入れ、9月以降は17名を受け入れる予定です。今後も、本町の子どもたちが異なる地域・文化圏の留学生との交流を通して、視野を広げる機会をつくるとともに、町の魅力の発信や関係人口・交流人口の拡大に努め、移住・定住につながるよう対応していきます。

次に、生涯学習課関係について申し上げます。
 8月15日、五城目小学校で「二十歳のつどい」が開催され、実行委員会の皆様が式典と講演会を行っています。対象となった54名のうち、41名が出席し、二十歳の門出をお祝いしています。
 また、同日夜には県道秋田八郎潟線で「全町盆踊り大会」を開催し、町内から大人の部6団体、子どもの部4団体及び個人から参加いただいたほか、ふるさと五城目会からも参加いただくなど、大勢の観客とともに盛会に実施しています。
 次に、「二十五歳のつどい」についてですが、8月16日、町民センターで、有志立ち上げによる実行委員会の皆様が準備等を行い、盛会裏に開催されました。対象となった79名のうち40名が出席し、中学校を卒業してから10年ぶりに恩師や仲間たちと交流を深めていました。
 次に、五城目町・千代田区学童野球交流についてですが、7月26日と27日、雀館運動公園グラウンドを会場に実施しました。令和元年度以来、6年ぶりの本町開催となりました。千代田区からは、選手23名、保護者・指導者など26名、計49名が来町。「五城目野球スポーツ少年団」は、選手12名、保護者・指導者など17名、計29名が迎え入れ、晴天のもと、ナイスゲームを展開してくれました。2日間で3試合を行い、成績は「オール千代田」の2勝1分けで、両チームのさわやかな交流試合に、スタンドからは大きな声援が送られていました。事業の運営に携わっていただいた「五城目野球スポーツ少年団」「オール千代田」の皆様に感謝申し上げますとともに、関係者のご尽力により「交流の絆」をより深めることができたものと存じます。

以上、本年6月以降に生じた主なる事項についてご報告しましたが、提出議案については、議案上程の際にご説明しますので、ご審議のうえご可決賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、各課室に係るその他の事項については、「各課室別報告事項」にとりまとめ、別紙のとおり報告し、行政報告を終わらせていただきます。